厚労省の推計では、夫がサラリーマンでなくなっているのに、妻が国民年金に切り替えないなど、記録が誤っている人は97万4千人いる。そのうち50万人近くは、夫が退職した月のうちに再就職したなどで、再び主婦年金に戻っていた。
こうした人は、国民年金の加入期間が1カ月に満たず、年金額には影響しないため、記録訂正の必要はない。一方、年金額に影響するのは、5万3千人の受給者を含め、全体で47万5千人と推計される。
厚労省は、記録に誤りがある受給者700人を抽出して調査。約240人が平均7カ月間、誤って主婦年金の記録になっていた。基礎年金の満額(月約6万6千円)なら、毎月1千円ほど多く受け取っていた計算になる。特別部会の議論では、受給者の過払い分について返還を求めるかどうかが焦点となりそうだ。
また、これから受け取る加入者700人についても抽出調査した結果、約360人が平均24カ月ほど誤った記録になっていた。