厚生労働省老健局振興課の山本亨課長補佐は2月10日、全国地域包括・在宅介護支援センター研修会で講演し、地域包括ケアシステムの一部である介護保険外サービスや権利擁護の仕組みが希薄な地域では、「地域包括支援センターのマネジメントの下で、新たなサービス開発をすることも視野に入れる必要があるだろう」との見解を示した。
講演で山本課長補佐は、地域包括ケアシステムの主なサービスや仕組みとして、▽介護保険サービス▽医療系サービス▽高齢者専用賃貸住宅などの住宅▽見守りや配食などの生活支援を行う介護保険外サービス▽生活保護や後見制度などの福祉・権利擁護の仕組み―の5つを紹介。
その上で、既に公的保険制度の中でサービスが提供されてきた医療・介護分野は「それなりに基盤が整ってきている」とする一方、介護保険外サービスや権利擁護の仕組みは「地域によって充実していたり、希薄だったりする」と指摘。これに対処するために、不足しているサービスや仕組みについては、地域包括支援センターが各サービスの関係者や自治体関係者、地域住民らの意見を調整してサービス開発する必要性を示した。
また、自治体の高齢者福祉への取り組みに関して、1990年代は各自治体で多様な事業が展開されていたが、介護保険制度が創設された2000年以降は「"介護保険万能神話"のような形になって、市町村(独自)の事業がだいぶ撤退した」と指摘。現在、介護保険財政の中で自治体が地域支援事業に取り組んでいるものの、「積極的に進められていない。少子・高齢社会が進展する中で(地域ごとの)生活支援ニーズに対応する体制づくりが重要だ」と述べた。
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