静岡県は2月9日、認知症の人の介護中であることを示す全国初の"介護マーク"を正式決定し、発表した。認知症であることは外見から判断しづらいため、異性の介護者がトイレの付き添いなどで周囲の理解を得にくいとする声に応え、準備してきた。今年4月から、介護マークの入ったカード3万セットを、市町の窓口や地域包括支援センターで配布する予定。
介護者は、縦7センチ、横10センチのカードが入った透明なケースを首から下げたり、必要なときに提示したりして使用する。2枚のカードが背中合わせになってケースに入っており、前だけでなく背中側に回して使っても見えるほか、各カードの裏面に緊急時の連絡先などを書き込める。デザインも、「介護」の文字に人が支え合う図柄を入れ、色も静岡県特産のお茶とみかんをイメージするなど工夫した。
介護マークの作成は、2009年に公益社団法人「認知症の人と家族の会」静岡県支部が要望したのがきっかけ。同会の介護者の「認知症の妻の下着を購入するときに、周囲から不審がられる」などの声を受け、昨年度に300万円の予算を計上し、介護マークの作成に取り掛かった。
同県では、介護マークが全国に浸透することで「介護する人を温かく見守る『やさしい社会』になることを期待している」と話している。実際に、大分県などから問い合わせがあったという。
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