埼玉県久喜市の特別養護老人ホームで2005年、入所者の認知症の女性=当時(78)=が紙おむつを破って喉に詰まらせ窒息死したのは注意義務違反が原因として、遺族が施設を運営する社会福祉法人「恒寿会」(同市)側に約2460万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、さいたま地裁は4日、施設側に1770万円の支払いを命じた。
加藤正男裁判長は判決理由で、口に異物を入れる癖のあった女性に対して紙おむつを使ったことについて「床擦れやかぶれの症状があり、(吸水性の低い)布おむつだけを使用すべきだったとは言えない」と容認。
その上で、癖を予防するため紙おむつの上に着用していた、ほぼ全身を覆う「介護服」の状態について、「股のファスナーが壊れていたり、閉め方が不十分だったりしたか、生地が劣化していて破れた可能性がある。使用方法が不適切だったと推認できる」として、注意義務違反を認定した。
判決によると、女性は05年6月20日、着用していた紙おむつを自ら破って飲み込み窒息死した。
恒寿会は「女性が亡くなられたことに対し、深くおわび申しあげる」としている。
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