厚生労働相の諮問機関である社会保障審議会の医療部会(部会長=齋藤英彦・名古屋セントラル病院長)は11月11日、医師など医療人材の確保について議論した。意見交換では、厚生労働省が来年度予算の概算要求に盛り込んでいる「地域医療支援センター」(仮称)の機能などについて委員から意見や質問が相次いだ。
同省によると、「地域医療支援センター」の整備は、医師の地域偏在解消に取り組むことが目的。都道府県内の医師不足の状況や、活用できる医師に関する情報の詳細な把握・分析のほか、医師の配置、大学(医局)への働き掛けといった調整なども行う。
この日の会合ではまず、同省の担当者が、▽医師等医療人材の確保▽広告・情報提供▽医療安全▽医療法人―のテーマごとに、これまでの取り組みやデータなどを説明。その後の意見交換では、既存の地域医療対策協議会と同センターの関係性や、センターの具体的なあり方などについて説明を求める意見が相次いだ。
これに対し事務局は、同センターと協議会はそれぞれ補完的に取り組むと説明。同センターには医師確保に向けた専従スタッフを置くとして、その有用性を強調した。全国一律か否かについては、「地域の実情に応じて活動状況などが変わってくる」とし、設置場所についても「県の状況によって違ってくる可能性はある」と述べ、大学病院や県立病院などを例に挙げた。
西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)は同センターについて、「あまりきっちりした形にすると、都道府県ごとに事情が違うので、逆にやりづらいということもあると思う」と指摘。「幾つかの仕組みをうまく合わせてやれば、もっといいことができるのではないか」と提案した。相澤孝夫委員(日本病院会副会長)は、「とりあえず今、困っているから何とかしようとするのか、長期的に医師の地域格差をなくすセンターにしていくのか、それによって全く考え方が違う」と問題提起した。
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