歯を失うと認知症を発症するリスクが高まることが、このほど発表された厚生労働省の研究班(主任研究者=近藤克則・日本福祉大教授)の調査結果で分かった。認知症の人は歯の状態もよくないことが多く、特に歯がほとんどない人は認知症の発症リスクが1.9倍になることが明らかになった。
調査は、2003年に愛知県の65歳以上の健常者を対象に郵送で行い、4年間で認知症の認定を受けたか否かを追跡調査した。有効回答数は4425人だった。
調査期間中に、認知症に伴い要介護認定を受けた人は全体の5%に当たる220人で、認知症の発症リスクは、▽20歯以上の人に対して、歯がほとんどなく義歯未使用の人は1.9倍▽何でもかめる人に対して、あまりかめない人は1.5倍▽かかりつけ歯科医院のある人に対して、ない人は1.4倍―であることが分かった。
研究班では、歯を失う原因となる歯周病などの炎症が直接脳に影響を及ぼすことや、かめなくなることによるそしゃく機能の低下が認知機能の低下を招いている可能性が高いと分析している
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