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脳卒中 早い受診で後遺症防いで

がん、心臓病に次いで、日本人の死因で3番目に多いのが「脳卒中」。多くの場合、ある日突然、手足のまひや、ろれつが回らない、といった症状に襲われる。死因のトップだった1970年代以降、死亡率、死亡数とも低下しているが、後遺症で介護を必要とする患者は増加している。専門家は「脳卒中は分単位の闘い。後遺症を防ぐには一刻も早く専門病院に運んでほしい」と呼びかけている

◆4割は在宅介護

 脳卒中は、脳梗塞(こうそく)、脳出血、くも膜下出血の総称。国内では年間20万~30万人が発症し、年間13万人が亡くなっている。死因1位のがんに比べれば死に至るケースは少ないが、「大変なのは、急性期を生き延びたとしても後遺症のため、衣服の着替えから食事、トイレまで、周囲が介護をしなくてはならなくなること」と、日本脳卒中協会専務理事で「中山クリニック」(大阪市浪速区)院長の中山博文さんは説明する。

 秋田県の調査では、初めて脳卒中を起こし半年後に生存している人のうち、日常生活で不自由なく自立している人は約2割、生活の一部に不自由のある人を含めると約半数が自立。しかし、約4割は在宅で介助を必要としていた。

 中山さんは「(後遺症を防ぐには)できるだけ早く専門病院へ運ぶこと」と指摘する。昨年5月の改正消防法で、従来は直近の救急病院に運ばれていたが、脳卒中の可能性があると救急隊が判断すると、疾患や症状に応じて適切な医療機関に搬送できる態勢が整いつつある。片方の手足、顔半分のまひやしびれ▽ろれつが回らない、言葉がでない▽力はあるが立てない▽片方の目が見えない▽経験のない激しい頭痛-などの症状が突然起きたら脳卒中を疑い、「救急に連絡し相談してほしい。早ければ早いほど後遺症は少ない」。

 ◆一瞬で人生変わる

 実は脳卒中はある程度予防が可能だ。脳卒中の危険因子とされる高血圧や糖尿病などを治療し、たばこや過度の飲酒といった生活習慣を改善することも予防につながる=表参照。ただ、生活習慣を気をつけ、最新の治療を施しても後遺症が避けられないケースは少なくない。中山さんの母親も7年前に脳卒中を起こし現在も左半身にまひが残り、屋外では車椅子(いす)を使っている。

 中山さんは患者の家族の立場となった経験も踏まえ、脳卒中患者とその家族向けに病気を分かりやすく解説した『脳卒中になったその日から開く本』(保健同人社)を出版した。「脳卒中は突然やってくるし、一瞬で人生も変わってしまう。予防できる人は放置しないで予防してほしい。発症したときは専門病院で適切な治療を受けてほしい」と話している。

 ■患者会で励まし合い

 脳卒中の発症後は再発防止が大切だが、同時に6カ月以降の時期であれば「社会適応をしていくことも重要」(中山さん)という。

 仕事を辞めたり、変わらざるを得なかったりするほか、介護する家族の生活も一変。特に高齢者の場合はひきこもりがちになる。そこで、中山さんが提案するのが患者会への参加だ。「10年、20年と病気とつき合わなくてはいけないこともある。悩みが共通する患者同士、家族同士が相談したり励まし合える場になります」とアドバイスする。

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