神奈川県座間市のナースケア県央事業所が主催する講演会「胃ろうがあっても口から食べられる!!もう一度、『口』から食べられる!?」が3月10日、同市内で開かれた。この中で、東名厚木病院(神奈川県厚木市)の摂食嚥下療法部の小山珠美課長は、丁寧な口腔ケアや食べやすい姿勢の維持などを工夫することで、経管栄養の高齢者も再び口から食べられるようになると訴えた。
小山氏は、口から食べることによる効果として、高齢者の▽栄養状態が改善する▽心身の満足感を得られる▽生活や社会参加の場が広がる―などを列挙。「誤嚥性肺炎を起こさないための食べることへのリスク管理は(現場で)言われるが、食べないことで廃用症候群になるリスクもある」と述べ、食べられるようにするための創意工夫や支援の必要性を強調した。具体的には、高齢者の身体の状況などに合わせて、▽食事のメニュー▽口腔ケア▽離床▽姿勢が安定するテーブルの選定▽食器や食具の選定―などに留意するよう訴えた。
在宅療養中の高齢者を訪問して栄養指導を行う「地域栄養ケアPEACH厚木」の江頭文江代表(管理栄養士)は、「食事をして『むせる』ことは悪いと思われがちだが、『むせることができる』のは大事。嚥下障害が重く、低栄養の人は十分にむせることができず、肺に食べ物が入って肺炎につながる」と指摘し、栄養状態を良好に保つ重要性を訴えた。
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