ケアサポート９／介護福祉士試験／ＴＯＰへ

全国ホームヘルパー協議会（中尾辰代会長）はこのほど、区分支給限度基準額の運用の見直しなどを求める「介護保険制度・報酬の見直しに係る意見書」を、厚生労働省の宮島俊彦老健局長あてに提出した。

意見書では、認知症高齢者や高齢者のみの世帯、独居の高齢者の中には、現在の区分支給限度基準額では日常生活を支えられない例もあるとした上で、利用者の状況によっては、区分支給限度基準額を超えて保険給付サービスが利用できるように見直すべきと提案している。また、利用者の自立生活を支援するためには生活援助は不可欠だとし、訪問介護の生活援助と身体介護の報酬単価を統一する必要があると提言した。

　さらに介護サービスの質の向上を図る上で優秀な人材の確保は不可欠だとの観点から、介護職員処遇改善交付金によって実現した処遇レベルを、同交付金制度が終わる2012年度以降も維持できる介護報酬の実現を要望。ヘルパーの調整・支援を行うサービス提供責任者については、実際の業務量と内容に基づいた報酬上の評価を導入すべきとしている。

　このほか、▽介護予防訪問介護事業の保険給付の継続▽訪問介護における緊急時訪問加算の見直し▽「24時間地域巡回型訪問サービス」については、地域の実情や現行の訪問介護事業を踏まえ、必要な提供体制を整備できるサービス体系とする▽医療に属するケアをホームヘルプサービス業務に位置付ける場合、現場の意見などを十分に踏まえ、必要な研修や実施体制などを整備する―といった提言も盛り込まれている。