日本介護福祉士会(石橋真二会長)はこのほど、介護現場における小規模チームのリーダーや初任者などの指導係を養成する「介護福祉士ファーストステップ研修」修了者へのアンケート調査の結果を公表した。それによると、修了者の約94%が研修を受講しても給与面で変化がないと回答。約8割が職場での役職や地位を「受講時と同じ」としており、待遇への反映は限定的であることが分かった。
調査は、厚生労働省の委託事業として2月から3月にかけて実施。同会が2006年度から昨年度までに行った同研修の修了者約1000人を対象に郵送で行い、467人から回答を得た。
同研修を修了したことによる給与面での評価があったかを尋ねたところ、「いいえ」が94.4%を占めた。「はい」は3.0%。また、修了後の職場での役職や地位については、「受講時と同じ」が80.3%と最も多く、「受講時より昇格した」は11.6%だった。
同研修を修了して上司や同僚などから評価された点を見ると、「介護に関する知識が向上したこと」(41.1%)が最も多く、これに「チーム内や他職種との連携がうまくとれるようになったこと」(24.8%)、「意欲的に業務に取り組むようになったこと」(23.3%)などと続いた。介護技術の向上に関しては、6.9%にとどまった。
修了者への在るべき評価を尋ねたところ、「介護保険制度の配置基準や報酬などに反映してほしい」(41.3%)が最も多く、次いで「職場のなかで昇進・昇給などに反映してほしい」(21.4%)、「評価は特に必要ない」(5.8%)、「他の研修への読み替えを認めてほしい」(4.9%)などの順だった。
日本介護福祉士会の担当者は、ファーストステップ研修を含むさまざまな研修によるステップアップを体系化した同会の生涯研修制度について、「介護従事者の職階と結び付けられるよう厚労省に働き掛けていきたい」と話している。
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