全国個室ユニット型施設推進協議会(旧全国新型特養推進協議会、赤枝雄一会長)はこのほど、会員施設を対象に行った「経営実態調査」の結果を公表した。それによると、約1割が赤字で、特に赤字施設では人件費に多くの費用を割く傾向があることが分かった。
調査は今年7-8月に、全室個室ユニット型またはそれを目指している特別養護老人ホーム(特養)247施設を対象に実施され、135施設が回答した。
収支差額率別に見ると、「マイナス5%(▲5%)未満」が7施設、「▲5%以上0%未満」が7施設、「0%以上5%未満」が28施設、「5%以上10%未満」が35施設、「10%以上」が58施設。全体平均の収支差額率は8.1%だった。
収入に対する人件費と委託費の割合は、収支差額率が「▲5%未満」の施設が79.4%で最も高かった。さらに、収支差額率が上がるほど人件費・委託費の割合は低くなり、収支差額率「10%以上」の59.1%が最低だった。また、全体平均は64.7%。
稼働率(利用率)を見ると、全体平均95.1%に対して、収支差額率が「▲5%以上0%未満」の施設では95.2%とほとんど変わらなかったものの、「▲5%未満」の施設は90.5%にとどまった。黒字施設では、「0%以上5%未満」の施設が94.7%、「5%以上10%未満」の施設が94.9%、「10%以上」の施設が95.7%だった。
■償還が厳しい施設は約2割
調査を実施した川原経営総合センターの試算では、設備と支払い金利に対する単年度の償還が「厳しい」と想定される施設が全体の約2割に当たる30施設あった。同協議会の諸隈正剛副会長は、「社会福祉法人は民間企業と違い、税金もなく、(他分野からの)参入規制があって過当競争もない。経営改善をお願いしたい」と話している。
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