米国ジョンソン・エンド・ジョンソンのグループ企業の日本法人、ヤンセンファーマ株式会社は1月21日、軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制を適応症とするアルツハイマー型認知症治療剤「レミニール」(一般名:ガランタミン臭化水素酸塩)の製造販売承認を取得したと発表した。
「レミニール」の有効成分であるガランタミンは、アセチルコリンエステラーゼ阻害作用により脳内アセチルコリン濃度を上昇させるとともに、従来の薬剤にはない特徴として、ニコチン性アセチルコリン受容体に対するアロステリック増強作用を有している。これらの薬理作用により、アルツハイマー型認知症で低下しているコリン機能を賦活化し、認知症症状の進行を抑制する。
同薬は錠剤に加え、口腔内崩壊錠及び内用液の3種類の製剤があり、患者や介護者の要望や生活スタイルに応じて適切な剤形を選択することが可能となっている。
同薬は、欧州で2000年に承認されて以降、2010年4月現在「軽度から中等度のアルツハイマー型認知症」の治療剤として、米国、フランス、英国、ドイツを含む73の国と地域で承認されている。わが国ではヤンセンファーマが臨床試験を実施し、製造販売承認を取得した。薬価収載後、ヤンセンファーマと武田薬品工業株式会社による速やかな発売と共同販売活動を行っていく予定。
わが国においてアルツハイマー型認知症治療薬は永らく「アリセプト」(一般名:塩酸ドネペジル)しか承認されていなかったが、今回の承認により、アルツハイマー型認知症に対する新たな治療選択肢ができ、患者のQOLの維持や家族の介護負担の軽減に寄与できるものと、同社は確信している。
【製品概要】
■販売名:レミニール錠4mg、レミニール錠8mg、レミニール錠12mg、
レミニールOD錠4mg、レミニールOD錠8mg、レミニールOD錠12mg,
レミニール内用液4mg/mL
■一般名:ガランタミン臭化水素酸塩
■承認取得日:1月21日
■承認区分:新有効成分含有医薬品
■製造販売:ヤンセンファーマ株式会社
■薬効分類:アルツハイマー型認知症治療剤
■効能・効果:軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制
■効能・効果に関連する使用上の注意:
(1)アルツハイマー型認知症と診断された患者にのみ使用すること。
(2)本剤がアルツハイマー型認知症の病態そのものの進行を抑制するという成績は得られていない。
(3)アルツハイマー型認知症以外の認知症性疾患において、本剤の有効性は確認されていない。
■用法・用量:通常、成人にはガランタミンとして1日8mg(1回4mgを1日2回)から開始し、4週間後に1日16mg(1回8mgを1日2回)に増量し、経口投与する。なお、症状に応じて1日24mg(1回12mgを1日2回)まで増量できるが、増量する場合は変更前の用量で4週間以上投与した後に増量する。
■用法・用量に関連する使用上の注意:
(1)1日8mg投与は有効用量ではなく、消化器系副作用の発現を抑える目的なので、4週間を超えて使用しないこと。
(2)中等度以上の肝障害患者では、4mgを1日1回から開始し少なくとも1週間投与した後、1日8mg(4mgを1日2回)を4週間以上投与し、増量する。ただし、1日16mgを超えないこと。
(3)副作用を軽減するため、食後に投与することが望ましい。
(4)医療従事者、家族等の管理のもとで投与すること。
■OD錠: 本剤は口腔内で速やかに崩壊することから唾液のみ(水なし)でも服用可能である。また、本剤は口腔粘膜からの吸収により効果発現を期待する薬剤ではないため、崩壊後は唾液又は水で飲み込むこと。
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