2008年度の国民医療費は34兆8084億円で過去最高を更新したことが、厚生労働省が11月24日に公表した「国民医療費の概況」から分かった。07年度の34兆1360億円から6725億円(2.0%)の増。国民一人当たりの医療費も、27万2600円で過去最高だった。対国民所得比は9.90%で、0.88ポイント増加した。
医療費の伸び率が07年度の3.0%に比べ鈍化したことについて、厚労省は「診療報酬のマイナス改定の影響があるのではないか」とみている。
08年度国民医療費を制度区分別に見ると、医療保険等給付分が16兆9548億円で前年度比1972億円(1.2%)の増、後期高齢者医療給付分は10兆4273億円で1488億円(1.4%)の増、公費負担医療給付分は2兆3310億円で307億円(1.3%)の増、患者負担分は4兆9141億円で1144億円(2.4%)の増。後期高齢者医療制度で国庫負担となる軽減措置分は1813億円だった。
診療種類別では、病院や診療所の「入院医療費」が12兆8248億円で、前年度から2116億円(1.7%)増加。「入院外医療費」は13兆1347億円で1060億円(0.8%)増えた。「歯科診療医療費」は2兆5777億円で781億円(3.1%)、「薬局調剤医療費」は5兆3955億円で2733億円(5.3%)それぞれ増加した。
年齢別では、「0―14歳」が2兆2326億円(前年度2兆1986億円)、「15―44歳」4兆8362億円(同4兆8212億円)、「65歳以上」18兆9999億円(同18兆2982億円)と、いずれも前年度より増えたが、「45―64歳」では8兆7397億円(同8兆8180億円)で微減となった。国民医療費は、一般診療や歯科診療、薬局調剤などで保険者が医療機関に支払った医療費などの総計。先に発表される概算医療費は、医療機関から審査・支払機関に請求されたレセプトベースの額。
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