東京都世田谷区は、新年度の予算として、同居家族のいるケースも含めた高齢者のサポートを強化する施策を発表した。
同区は、昨年度、区内の全高齢者15万3,000人を対象とする「全高齢者実態把握調査」を実施。その結果、孤立する高齢者の見守りの必要性や、老老介護の世帯が将来への大きな不安を抱えていることなどが明らかになった。これらの課題解決のための取組として、「民生委員ふれあい訪問」、「あんしん見守り事業のモデル実施」、「高齢者安心コールの機能拡充」、「地区高齢者見守りネットワークのモデル実施」を行うとしている。
【民生委員ふれあい訪問】
85歳以上の介護保険サービスを利用していない高齢者1万1,000人を対象に、民生委員が毎年訪問し、状況確認をして、必要な支援や見守りサービスに繋げていく。問題を未然に防ぎ、早期の相談に結びつけるのがねらい。新規事業として、予算は約692万円。
【あんしん見守り事業のモデル実施】
支援を必要とする高齢者にサービスが結びついていない場合があることから、あんしんすこやかセンター(地域包括支援センター)に見守りコーディネーターを配置し、見守りサービス(高齢者安心コール、福祉電話訪問)の紹介や、見守りボランティアを派遣する。2010年11月から実施。予算は10カ所、3,600万円。
【高齢者安心コールの機能拡充】
高齢者からの問い合わせのほかに、新たに親族等からの相談受付や、コールセンター職員から希望者への電話相談による見守りを行う。予算は約3,187万円。
【地区高齢者見守りネットワークのモデル実施】
町会・自治会、地区社会福祉協議会など、地域で始まっている高齢者見守り活動を拡大するのがねらい。出張所、まちづくりセンター、あんしんすこやかセンターが連携して、地域の諸団体とのネットワークを構築。当面、2、3のモデル地区で実施する新規事業。予算は約45万円。
この他、同区は、現行の介護保険制度では提供できない24時間対応のサービス実現のため、「24時間地域巡回型訪問サービス」としてモデル事業をこの2月から開始している。
こうした取組みにより、いつまでも住み続けたい、安心して住み続けられる世田谷の実現をめざしていくという。
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