段位は、政府が導入を目指す「実践キャリア・アップ制度」の中に位置付けられる。技術や能力を客観的に証明することでキャリアデザインを描きやすくしたり、他分野からの労働移動を円滑にしたりすることが狙い。現在は介護、環境・エネルギー、食・観光の3分野で具体的な基準の策定に向けた議論が進められており、他の成長分野にも順次拡大する方針だ。
介護人材をめぐっては、基本的な知識や技術を修得したレベル1の「エントリー」から、最高位に当たるレベル7の「名人」まで、7段階の段位を設定する案が検討されている。具体的には、レベル2、3が「スペシャリスト」、レベル4が「プロ」、レベル5、6が「上級プロ」とされる。
また、介護関係資格とも関連付け、▽レベル1が初任者研修(現行のホームヘルパー2級研修)修了相当▽レベル3、4が介護福祉士相当▽レベル5、6が現在検討されている「認定介護福祉士」(仮称)相当―などとする案が出ている。段位を介護報酬とリンクさせることや、具体的な段位の認定方法なども検討課題に挙がっている。
専門タスク・フォースは月内にも、実践キャリア・アップ制度の骨格に当たる基本方針を取りまとめる予定。介護や環境などの各分野に共通する横断的な段位設定の在り方や評価方法、普及に向けた方策などが盛り込まれる見通し。この基本方針に沿って、各WGは具体的な制度設計に向けてさらに議論を進める。
■職業能力開発基本計画にも位置付けへ
また実践キャリア・アップ制度については、来年度から5年間の職業能力開発政策の方向性を示す「第9次職業能力開発基本計画」にも新たに盛り込まれる見通し。厚生労働省がこのほど民主党厚生労働部門会議で示した同計画の案では、職業能力の開発・向上やキャリア形成が容易になるよう、同制度を構築する必要性があるとしている。
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