出生体重が低い早産児は、将来的にメタボリックシンドロームを発症しやすいリスク因子となるインスリン抵抗性を示す値などが出生時から既に高いことが、順天堂大医学部の研究チームの研究結果から明らかになった。早産による低体重と脂質代謝やインスリン抵抗性との関連については、既に国内外の研究で裏付けられているが、その多くがある程度成長した小児から成人期を対象にしたもので、出生直後の早産児についての研究は少ないという。
この研究結果は、11月26、27日に順天堂大(東京都文京区)で開かれている日本小児脂質研究会のシンポジウムで、同大医学部小児科・思春期科学教室の東海林宏道准教授が発表した。
研究では、同大医学部附属順天堂医院で今年1-8月に生まれた新生児18例(平均在胎週数31.5週、平均出生体重1358.1グラム)を対象に分析。NICU(新生児特定集中治療室)入院時に採血し、血糖値や血清インスリン値、中性脂肪(TG)値などを測定し、これらの値と在胎週数との相関関係などを調べた。
その結果、インスリン抵抗性の指標となるHOMA-IRの値は、在胎週数や出生体重が少ないほど高く、量的インスリン感受性検査指数(QUICKI)は、在胎週数や出生体重が少ないほど低い値を示し、いずれの値も統計学的な有意差が見られた。またTG値やLDL/HDL比は、在胎週数や出生体重が少ないほど高い値を示したという。
HOMA-IRの高値やQUICKIの低値は2型糖尿病の、LDL/HDL比の高値は動脈硬化のリスク因子とされており、東海林准教授は「出生体重が低いほどこれらの値が不良で、将来メタボリックシンドロームを発症する可能性がある」として、早産児の継続的なフォローが必要だと指摘した
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