日本介護福祉士会の「第17回全国大会inみやざき」が12月10日、宮崎市で開かれ、全国各地の介護福祉士ら約1500人が参加した。開会式であいさつした同会の石橋真二会長は、2012年度に予定されている介護福祉士の資格取得方法の一元化について、「介護福祉士の質の担保と社会的評価の向上のためにも、絶対に守ってほしい」と述べた。3年以上の実務経験者が介護福祉士国家試験を受験するために必要となる研修時間については、「(養成施設などで義務付けられた)1800時間の研修時間と整合性が取れるものにする必要がある」と改めて訴えた。
また石橋会長は、今年4月に特別養護老人ホームの介護職員に対し、一定の条件下でたんの吸引などの医行為を認める厚生労働省の通知が出たことに触れ、「(介護職員が医行為を手掛けることへの)ニーズは、特養以外の施設や在宅ケアの現場でも高い。われわれはそのニーズに応えられるよう、しっかりこの問題について考えていかなければならない」と述べた。
■医行為を手掛ける意義「一人ひとりが考えるべき」
基調講演では、厚労省社会・援護局の介護福祉専門官の本名靖氏が、現在実施されている「介護職員によるたんの吸引等の試行事業」の概要や進ちょく状況について解説。現場では介護福祉士が医行為を手掛けることを望む声が高いと指摘した上で、「介護に医行為をどう位置付けるのか。介護福祉士が医行為を手掛ける意義は何か。一人ひとりが考える必要がある」と指摘した。また、介護福祉士のキャリアアップ支援や就労環境の整備については、職能団体や関連する学術団体、養成協会が連携して取り組むべき課題とし、「職能団体は、その連携の中心として機能すべき」と述べた。
この日は、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實氏の記念講演や、詩人で児童文学作家の藤川幸之助氏の特別講演も行われた。
大会は11日も開かれ、医療と福祉の連携をテーマとしたシンポジウムや分科会が開催される。
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