ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社メディカルカンパニーは、全国の40歳代から70歳代の男女800名を対象に、「動脈硬化に関する意識」調査を2010年12月上旬に実施した。
全身に起きる動脈硬化は、部位によっては症状が出にくい場合もあり、発見や遅れによりQOL(生活の質)の低下や生命予後を悪化させるケースがある。今回、体が示す動脈硬化のサインへの認知や理解、また、動脈硬化の危険因子の有無を調査いし、その結果を12月27日発表した。
それによると、頭、心臓以外にも全身に起きることを知らない人は7割もおり、特に危険因子を保有する率の高い60代以上の男性は要注意という結果となった。
【主な調査結果概要】
■60代以上の男性の8割が動脈硬化の危険因子を持っている
動脈硬化の危険因子有無を調べたところ、高血圧30.4%、肥満24.1%、脂質異常症18.1%、喫煙習慣がある15.6%、糖尿病11.8%、過去に狭心症・心筋梗塞や脳卒中を起こした5.4%となり、ひとつでも持っている人は64.5%だった。
また、性別年代別で見ると、60代以上の男性においては8割が動脈硬化の危険因子を持っていることが分かった。
■心臓、頭以外の部位に起きる動脈硬化は、依然低い認知
動脈硬化が起きる部位として知っているものを聞いたところ、心臓86.9%、頭77.6%、と比べ、足32.1%、首29.8%、腹部17.1%、腎臓8.9%は昨年の調査結果と同様に約3割しか知られていないことが明らかとなった。また、動脈硬化の危険因子を持つ人も同様に低い認知だった。
■治りにくい高血圧の一因は腎臓に起きる動脈硬化
腎臓に起きる動脈硬化(腎動脈狭窄症)が治りにくい高血圧の一因であることを知っている人は12.9%で、高血圧の人においても14.8%にとどまった。
■動脈硬化の危険因子を持つ人の42.2%に閉塞性動脈硬化症の症状
閉塞性動脈硬化症(PAD)に特徴的な足の冷えや痺れ、または「歩くと痛み、休むと治る」という症状の有無を調べたところ、動脈硬化の危険因子を持つ人の42.2%がそれらを感じていることが分かった。しかし、47.7%が「病院に行くような症状ではないと思うから」「年齢のせいだと思うから」等の理由から病院に行っておらず、また、病院に行っている人でも、循環器科・血管外科を選んでいる人はわずか11.4%だった。
■動脈硬化が起きる部位によっては、5年後生存率ががんより低い
動脈硬化が起きる部位によっては、5年後の生存率ががんより低いことを知っている人は15.1%。動脈硬化の危険因子を持つ人においても、認知度は16.7%にとどまった。
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